オールインだ!:怪しく光る裾アベンチュリン衣装制作記

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<はじめに>

アベンチュリンというキャラクターに出会ったとき、まず目を奪われたのは彼の装いでした。 豪奢でいて、どこか謎めいていて、光の中で変化するような“あの裾”。

市販衣装もたくさん出回っている中で、私はあえて「自分で作る」という選択をしました。 このブログでは、衣装づくりの中で一番こだわった”裾”に焦点を当て、その裏にあった考察と工夫を記録していきます。

1. 光で変化する裾を再現したかった理由

アベンチュリンは、スターレイルの中でも演出が光るキャラクターです。 その衣装の魅力の一つが、黒とも青とも紫とも言い切れない微妙な光沢を持つ裾の存在感でした。 私はこれを再現することにすべてをかけました。

ゲームのライティング環境を考慮し、写真でもその“怪しい輝き”が出るよう、素材選びと構造に全神経を集中させました。

2. 市販衣装との違い:なぜ自作にしたのか

よくある市販衣装では、裾はただのレザー調素材や、プリント一枚で処理されていることが多いです。 実際に手に取るとわかりますが、光の吸収や反射の仕方がまるで違います。

私は、光源の位置・距離・角度により微妙に表情を変える布を探し、さらにその上に重ねる模様を別布で制作しました。 プリントではなく、レイヤー構造で再現することで、光の当たり方によって立体的に模様が浮かび上がるように設計しています。

3. なびき、動く衣装としての工夫

裾の軽さにもこだわりました。 “風でなびく”という表現は、コートやロングジャケットでは難しい部分です。 だからこそ、軽さと形状記憶の両方を持つ生地を選び、芯地や補強のバランスを何度も見直しました。

また、動いたときによれたり模様が浮きすぎたりしないように、縫い込みの構造も工夫しています。 内側のラインにそって手縫いで固定し、可動域の広い衣装として仕上げました。

4. 写真とライティングに命を預ける衣装

この衣装は、暗い場所ではただの黒いジャケットに見えるかもしれません。 しかし、光を当てた瞬間に表情が変わります。

それはまさに、アベンチュリンという人物の二面性──光と影、豪奢さと策略──を象徴するための意図でした。

撮影のとき、カメラマンさんのライティングで裾が本当に妖しく光ったとき、 「あの時、全部こだわってよかった」と心から思いました。

<おわりに>

この衣装は、単なる“再現”ではなく、“存在の設計”でした。 たった一箇所──裾──に対してここまで悩み、こだわることができたのは、 アベンチュリンというキャラクターの魅力と、そして何より「衣装も語るべきだ」と信じている自分自身の表現への欲があったからだと思います。

こうして作った衣装は、誰かにわかってもらえなくても構いません。 けれど、もし同じように“そこまでやる意味”を信じている方がいらっしゃったら、ぜひどこかでお話してみたいと思っています。