読み時間:約 10 分

本記事は筆者 Yosure の創作経験と考え方に基づく記録です。 一般的なハウツーではなく、創作過程の共有を目的としています。

衣装づくりの最初の工程 ― 観察と下準備が仕上がりを左右する理由

作成

/ テーマ:衣装づくりの基本と観察の重要性

はじめに

ボクが衣装づくりを始めるとき、最初にするのは“観察”だ。形や色だけを真似するのではなく、なぜこの形になるのか・どんな動きを前提としているのかを丁寧に見ていく。観察を重ねることで必要なパーツや構造が自然と整理され、作業の見通しが立つ。この工程を省かないだけで、後の作業効率や仕上がりが大きく変わる。

素材を見る目:下準備という基本

素材選びは仕上がりを大きく左右する

衣装づくりでは、作業に入る前の“素材を見る時間”がとても大切だ。布の厚み、重さ、光の反射、伸縮性、針の通り方などを確認すると、後の工程で迷いが減る。ボクは特に持続性を重視して素材を選んでいる。しわになりやすい布、伸びたら戻らない布、色移りの恐れがある素材は避けることが多い。柄物なら、印刷か織り込みかといった“作りの質”もチェックする。コスプレ衣装は更衣室で急いで着替える場面も多いため、多少雑に扱っても壊れない丈夫さが大切だ。

観察のポイント:何を見るか

構造とディテールを読み解く

観察するときは、次のようなポイントを意識している。縫い目の見え方は既製品との差が出る部分で、ほつれ防止やバイアステープの折り込みなど、自分の“こだわり”を反映しやすい。ごつい衣装や重ね着が多い場合は、上着・インナーの境界や、ポケット・装飾の付け方を確認する。動いたときに破綻しやすい箇所も事前に把握しておくと、完成後の着心地が大きく変わる。

裁ち・縫い・整える:作業のリズム

自分らしさが出る工程

裁断や縫製の作業に入ると、集中しやすくなる。布を裁つ、縫う、アイロンで形を整える——この繰り返しの中で衣装が少しずつ形になっていく。一見単調な作業でも、進める順番や手の動かし方には自分らしさが出る。縫い目の仕上げ方やほつれ防止の工夫は、観察で得た情報を反映する大事なポイントだ。

備えと慎重さ:素材不足から学んだこと

道具と材料は“少し多めに”が基本

一度、布の必要量を甘く見積もって足りなくなったことがある。代わりの布を探しに走り回り、完成が遅れた経験から、備えの大切さを痛感した。布だけでなく、ミシン糸・マチ針・ミシン針などの基本の道具も突然尽きることがある。今は、素材や道具を確認する際に“少し多めに”を習慣にしている。これだけで作業のストレスが大きく減る。

おわりに

観察から始める衣装づくりは、作業を丁寧に進めるための土台になる。構造を理解し、素材を選び、手を動かして確かめていく。この繰り返しが、迷いの少ない安定した作業につながる。次章では、観察の手助けになる“道具”と“色の扱い方”について触れる予定です。


次に読む記事

Notes

  • * 裁縫に関する基礎知識は「裁縫工学」「素材学」などの分野に関連しています。

Yosure (ヨシュア)

衣装・造形・撮影・編集を一人で完結させる創作系デザイナー。実験ログとして制作の考え方と手順を記録しています。

記載内容はすべて筆者 Yosure の経験則です。 参考にするのは自由ですが、完全な模倣や一挙手一投足の再現は推奨しません。 あなたの創作には、あなたの判断と責任が必要です。